ポイントカードなんていらない2009年02月08日

僕はポイントカードと言うものが好きではない。好きではないが、そこは残念なことに僕は人間の器が小さいやつなので、「ポイント貯めたらお得」なんてことを考えると捨てることはできない。
と言うわけで、気が付くといつの間にか大量のポイントカードが財布の中に貯まってしまう。僕の財布の厚みは札の厚みではなく、大量のポイントカードの厚みなのだ、悲しいことに。
でもそんな人、たぶん僕だけじゃなく、きっと他にもたくさんいるよね?

今日は、今まで住んでいた場所にあったスーパーマーケットのカードポイントを、全部使い切ってしまおうと考えた。
今住んでいるところの近所にはそのスーパーがないために、引っ越して以来そのままポイントカードは放置状態だったのだが、3月末でポイントを失効してしまうことを思い出し、思い出した時に使ってしまおうと考えたのだ。確か2500円分ほどの残ポイントだが、思い出した以上は捨ててしまう気にはなれない・・・やっぱり僕は人間の器が小さいのかも(泣)。

と言うわけで、わざわざ地下鉄に乗って、一番近い同系列の店まで行き、特に急ぎの買い物はなかったので、ちょうどポイント分を使い切るに手頃な下着・靴下類を選んでレジへ持って行った。
だが・・・
「残ポイントないみたいですね」とレジ係のおじさん。
「いや、そんなはずはないんですけど」と僕。
もう1回スキャンしてもらったが、やはり残ポイント0になるらしい。
「もしかして、ポイントを溜めた同じ店じゃないとダメなの?」と尋ねると、今度は別のお姉さんが来て「こちらの店舗で購入されたことはありますか?一度以上の利用が必要なのですが」と尋ねられた。

結局、同じチェーン店でもその店舗で1回以上購入履歴がないと、センター管理しているポイントの確認・利用ができない(しかも最初の利用の翌日以降)という、店側本位のシステムだということが解った。
カードの裏にはチェーン店であれば「全国どこでも使える」と書いてあるんだけどね。「使えるけど、ポイント清算は簡単にはさせないからね!」と、追記してほしいよね(笑)。
今回はポイントを使い切るのが目的だが、そのためには「何かを購入して明日以降、もう一度出直す必要あり」ということで、これでは目的を達せられない。
「じゃあ、商品全部キャンセルしてください。今まで利用していた店舗でポイント清算しますから」と言い、再び地下鉄に乗って、前に住んでいたところまで大移動・・・おれも暇だねぇ・・・。

移動する地下鉄の中。
「だからポイントカードってのは嫌いなんだよなぁ。ポイントカードなんて、いっそのこと無くなりゃいいのに」と、心の中でぼやきまくっていた。

リオ―警視庁強行犯係・樋口顕2009年02月10日

リオ―警視庁強行犯係・樋口顕 (新潮文庫)
今野 敏
新潮社
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またまた本の話で、今回は先週読み終わった本。
タイトルは「リオ―警視庁強行犯係・樋口顕」。タイトルから想像できるとおり、警察ものの小説だが、この作家の書く警察小説は、リアルさと人間の「こころ」「思い」の奥深さが感じられて、好きな作家の一人だ。もっとも「リアル」と言っても本当の刑事や警察の世界を知っているわけではないので、僕が想像するリアルさなのだけど。

そもそもが「リアルかどうか」ということは、「事実に近いかどうか」ではないと、僕は思っている。
全体を通すと破たんしている小説は別にして、現実感を与えることに成功している小説は、それがまったくの空想の産物だとしても、それはリアルな小説。その意味では、この小説はリアルさを十分に発揮している小説だと感じている。そしてまたこのリアルさが、人物の一人一人に奥深さを感じさせてくれて、単なる謎解きでもなく活劇でもない、この小説を普通のミステリー小説とは違う次元の小説にしてくれていると思う。

この「樋口顕」を主人公にした小説のシリーズは、文庫本で3冊刊行されている。
この「リオ」が1作目で、2作目が「朱夏」、3作目が「ビート」と続くのだが、実は僕は3作目、2作目と進み、最後にこのリオと、刊行順序とは逆に読んだ(入手した順番がたまたまそうだっただけで、他に理由はない)。
当然面白いと感じられたから3冊ともに読んだわけだし、主になる登場人物は同じでもストーリーに直接の繋がりがあるわけでもないから、逆から読んでも別に問題はないのだが、やっぱり順番に読んだ方が良かったかも。ストーリーを追う上での前提知識が期待感を膨らませてくれる効果があると思うから。

今野敏さんの警察小説には他のシリーズもあり、そちらもお薦めしておきます。

石狩太美の温泉へ2009年02月11日

ふとみ銘泉 万葉の湯
今日もまた温泉へ出かけた。
場所はJR学園都市線(札沼線)石狩太美駅、そこから歩いて数分の「ふとみ銘泉 万葉の湯」。数年前に訪れて以来、今回が2回目だ。

「万葉の湯」と聞くと、本州以西にお住まいの人の中にも「ウン?知ってるぞ!」と思われる人がいるかも知れない。そう、僕の実家の近く東名高速横浜町田IC近くにもこの「万葉の湯」があるのだが、そこと同じ経営の温泉施設だ。
実家近くの万葉の湯は、湯河原温泉の自家源泉から湯を運んで来るシステムのため、温泉と言っても「スーパー銭湯」感覚の施設だが、こちらは自家原泉と施設が一体化していることもあって、正統的な温泉施設という印象(個人的な色分けでは)。

学園都市線と言う名前は愛称で、正式名称はJR札沼線という名前の路線だ。札幌駅と留萌本線の石狩沼田駅を結んでいたためそう名付けられたのだが、今では石狩沼田駅と新十津川間は廃止されているため、行き止まりの路線となっただけでなく、そもそもの「札沼」という名前がマッチしないことになってしまった。
その関係もあるのだろう、最近では学園都市線と呼ぶ方が通りが良いようだし、駅の案内や車内放送などでも学園都市線と呼んでいるようなので、どちらが正式名でもよいような感じになっている。

札幌駅から3両編成の列車に乗り、12駅目の石狩太美駅を目指す。
一つ手前の「あいの里公園駅」までは札幌市内。ここまでは家の数が少しずつ減っては行くが、それでも車窓から見える風景は札幌の普通の郊外風景。だがこの駅を過ぎて石狩川を渡り、お隣の当別町に入った途端に、風景は完全な田園風景に変わる。今の季節はその田園も雪で覆われて、見渡す限り白の風景。
やがて石狩太美駅到着。距離にしておよそ20km、乗車時間は40分程度だから旅と言うほど遠距離ではないのだが、それでもいつもと違う風景、いつもと違う場所というのは、なんとなく心が弾む。

温泉へ入る前に昼飯を食べようと思った。
駅前に出て周りを見渡したら「ラーメン」の幟が見えた。そのラーメン屋へ向かってみると、そこは有名ラーメン店として名前を耳にすることが多い「なかむら」の本店。
ラーメン好きの僕だが、この店では今まで食べる機会がなかったので、ちょうど良いとばかり、ここで昼食を取ることにした。
味噌ラーメン(800円)を頼んで出てきたのは巨大な丼。もっとも丼は巨大だが、量は普通量だったので残さずに済んだのだが。
有名店だけにそれなりに美味しいラーメンだったのだが、むしろ印象に残ったのは店内の賑わい。列車の乗降客を含めても駅周辺を歩いている人がほとんどいないというのに、比較的収容力のある(焼き肉も出している店なので、なおのことテーブル数が多い)このラーメン屋の中だけは、満席に近い人の数だったのだ。さすがは有名人気店。

さて温泉。だが本題の温泉の話にたどり着くまでに、かなり長くなってしまったので、ここからは簡単に。

この温泉は大きな施設だけに設備は行き届いているし、浴槽も十分な広さ。これで「無ろ過、掛け流し、加温なし」なら完璧だろうが、そこは少々残念なところ。ただ循環型の温泉にありがちの塩素漂白の香りはほとんど感じなかったので、気持ちよく湯に浸かることができた。
あとは料金が高いことも残念なことの一つかも。
でもこれもまた、タオル類と浴衣は貸してくれるし、湯あがりに寛げる場所もある。手ぶらで行けて、長時間ゆっくりくつろげる場所もあり、何度でも入りなおすことができる、ヘルスセンターの感覚で捉えれば、料金も納得できる範囲だろうか。

今回はゆっくりくつろぐつもりがない僕は、汗がひとまずひいたところですぐに着替え、帰りの列車の時刻表を確認。
まだ体の火照りが残っている内にと、札幌へ戻ることにした。

地吹雪の定山渓へ2009年02月15日

つり橋の突き当たりの建物が定山渓・湯の花
このところ休日になるたびに温泉へ出かけている。
さて今週はどこへ出かけようかと考えて、考えている内に昼になってしまった。そうなると遠出をするのは億劫になり、近場で考えることになる。で、決まったのが定山渓。手元に定山渓の日帰り入浴施設「湯の花」のポイントカードがある。このポイントが溜まっていて、1回無料で利用できることを思い出したのだ。

この「湯の花」だが、いわゆるヘルスセンター型の施設で、小樽の手宮、朝里川温泉、江別、そしてこの定山渓と札幌周辺で4軒の温泉施設がある。どの施設も設備は充実しているし、僕は気に入っていつも利用しているのだが、その中でもこの定山渓が一番のお気に入りだ。
温泉は掛け流し浴槽もある大きな大浴槽があるし、露天風呂からの眺めも最高。他の店舗は眺めがいま一つだったり、やや塩素臭さが目立つお湯だったり、混雑が激しかったりで、定山渓ばかりに行くようになってしまった。
定山渓温泉には日帰り入浴が可能な温泉旅館はいくらでもあるのだが、この施設の場合、無料送迎バスが運行され、それが利用できるのが大きい。今日もまた真駒内駅前から無料送迎バスに乗って定山渓へ向かうことにした。温泉代と往復交通費が今日はタダ(地下鉄代は別にして)なので、かなり得をした気分でいる。

定山渓温泉の少し手前には、小金湯温泉という別の温泉場がある。泉質も定山渓とは違って、札幌周辺では珍しい「単純硫黄泉」の泉質だ。
元々温泉宿が3軒のこじんまりとした温泉地だったが、最近リニューアルしてこの内2軒がまとまって「湯元小金湯」という施設に生まれ変わった。
新しくなってからはまだ訪れていないのだが、次の機会には「この小金湯にしよう」などとバスの中で考えていた(こちらも送迎バスが真駒内駅前から運行されている)。

そんなことを考えていると、いきなりの猛烈な地吹雪。
バスの中だから良いが、もし外を歩いていたらたまったものではない。数メートル先の視界も無くなり、僕の乗っているバスもヘッドライトを点灯し、徐行し始めた。
僕の場合は冬場になると「行きたい温泉」と実際に「行く温泉」が違ってしまうことが多い。
路線バスなどの公共交通機関を利用して温泉へ行くことが多いので、どうしても交通の便を優先してしまうからだ。駅やバス停から近いとか本数が多いなど、第一優先の条件は交通の便なのだ。今日のような場合、湯上がり後に地吹雪の中を、ひたすらバス待ちするなんてのは耐えられそうにない。
今日は温泉の目の前でバスを乗降できるので、その心配はいらない。それだけ考えても、この送迎バスと言う存在はありがたい。

断続的な地吹雪が続く中、送迎バスは「定山渓湯の花」に到着。
さっそく着替えて温泉へと向い、露天風呂から雪景色を眺めながら湯に浸かることにする。
露天風呂の先客は舞い落ちる雪で頭を白くしている。こりゃ、北国ならではの温泉風景だよなぁ・・・。
ちょっぴりぬるく感じる露天風呂が、逆に長い時間浸かるには手頃で、気持ちが良い。
雪が風で湯船に舞いこむような天候だが、体も心も暖かで、今日の自分の選択を褒めてあげたい気分になって、そんな雪景色を眺めていた。

追記:
今回は地吹雪で写真を撮る気になれなかったため、季節はずれの古い写真を掲載しました。吊り橋突き当たりの建物が「定山渓・湯の花」です。

M8(エムエイト)2009年02月16日

M8(エムエイト) (集英社文庫)
高嶋 哲夫
集英社
売り上げランキング: 40921

また先週読み終わった本を紹介しようと思う。
タイトルは「M8(エムエイト)」。Mというのは「マグニチュード」の略。
この小説は「東京にマグニチュード8の直下型地震が発生した場合」をシミュレーションした小説だ。

著者の高嶋哲夫さんは、一昨年映画化され、昨日TVでも放映された「ミッドナイトイーグル」の原作者。僕はこのミッドナイトイーグルの原作も読んでいる。
で、まったくテーマの違うミッドナイトイーグルとこのM8を比べるのはどうかとも思うが、僕はこのM8の方に、より圧倒され、同時に感銘を受けた。どちらも同じく卓越した想像力で描かれた小説だとしても、読後、現実感と危機感のようなものを伴って心に響いてきたのが、このM8の方だったのだ。
これは非常に多くのデータをバックボーンとして、それを小説の中で緻密に取り込んでいるからだろうと思う。普段忘れてしまいがちな地震災害に対する啓蒙の意味としても価値がある小説だと思う。

勝手な想像をすれば、こうした小説はきっと描くのが難しいだろうなぁ、きっと。
単純にデータを並べるだけでは面白さに欠けるし、人物を描く方にシフトし過ぎても現実感に欠ける。そのバランスを取ったとしても、登場人物が多すぎると散漫としたストーリーになってしまいそうだし、少なすぎるとテーマが小さくまとまってしまいそうだ。
その意味ではこの小説は無駄な登場人物がいない。登場するすべての人物には意味があり、多くの登場人物には希望がある。
その救いがあるため、この小説を単なる教導的なものではない、あるいは危機感を煽るだけではない、「生きた小説」にしてくれていると感じられる。

CG全盛の今でも、この小説を映画化するのは大変だろうなと思う。
でもこうした小説こそ、ぜひ映画化して欲しいよなぁと、読後そんな感想を持った小説だった。