笑い犬2009年03月06日

笑い犬 (講談社文庫)
笑い犬 (講談社文庫)
posted with amazlet at 09.03.06
西村 健
講談社
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当たり前かもしれないが、読んだ本のすべてをこのブログに載せているわけではない。読み終わって「つまらなかった」と思う本があっても、それはそれでそのままの感想を載せればよいわけで、面白かった本だけを載せようと考えているわけでもない。じゃあ、どういった本をブログに載せていないのかというと、これは単純・・・読み終わっても、何の感慨も湧かない本があるからだ。
「時間の無駄だ」とまでは思わないけれど、途中で投げ出したくなる本も、稀にだがある。そういった本は「せっかく買ったのだからもったいないよな」という義務感のような気持ちをちょっぴり感じながら、我慢して最後まで読む。だからいざその本の感想を書こうと思っても、何の感慨も湧いてこないのだ。

実はこの「笑い犬」というタイトルの小説も前半はそんな感じで読んでいた。
冤罪(正確には立派に罪とは思うが)をきっかけに入所した刑務所生活を描いた長い長い第1章と、出所後の比べると短い第2章。実は第1章の8割ぐらいまでのところは、少々辛い気分で読んでいた。
刑務所ネタの実録小説などは過去にも何冊か読んだことがあったので、それと重複するようなエピソードもあるし、その意味ではその知識が「退屈さ」を倍化させていたからかも知れない。だから初めての知識として単純な「実録刑務所生活」のつもりでこの本を読むのなら、前半部も楽しめるのかも知れない。

そんな思いを持ちつつ、第2章へと読み進めたのだが、ここからは俄然スピード感と変化が現れた。明らかに第1章までとは空気が違う。「塀の中」という閉ざされた空間で過ごす時間と「塀の外」という開かれた空間での時間・・・「もしかしたら」の邪推だが、これを狙っての第1章の退屈さだったとしたら、この作家は凄い。
でもやっぱり第1章は長すぎると思うし、第2章は逆に「雑」と感じるほどスピードが速すぎるとは思うけど・・・。

実はこの作家の小説はこの本が初めて。テンポの速いダイナミックなストーリーで人気の方らしい。
だから1冊しか知らないこの僕の感想は、ここまでにしておこう。

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