読み終わった本の行方~その後2008年10月26日

8月1日に「読み終わった本の行方」というタイトルで、「読み終わった本はその一部を地下鉄の文庫に寄付している」件を書いた。
その後何かの時、雑誌を見ていたら(確か「札幌人」と言う名前の地域誌だったと思う)、この地下鉄の文庫のことが書かれていた。

実は今まで僕は特に駅員に断ることもなく、そのまま棚に置いていたのだが、正式には駅員へ委託し、駅員がハンコのようなものを押して選別してから棚に置くようにしているらしい。
この理由の一つは、この文庫から本を持ち出して読み終わっても戻さない人が増えている上に、ひどいやつになると、そのまま古本屋に売るやつまでいるからだそうだ。まあハンコが押されていようとなんであろうと、そういうことが平気で出来る人間に対しては抑止力とはならないかもしれないけど(買う方も買う方だよな。きちんと調べてから買い取ることなんて、たぶんしないんだと思う)。
もう一つは、宗教の本や公序良俗に反するような本は置かないようにしているからなのだそうだ。上に書いた「選別」というのはそういう意味で書いた。

最近、引っ越し荷物の整理のため、本の整理を始め出した。
本好きな従姉が読みそうなジャンルの本はダンボール箱に詰め、宅配で送る準備をし、それ以外の本は紙袋に詰め、地下鉄の文庫に寄付することにした。
今日、その紙袋をぶら下げて地下鉄駅へと向かった。今度はこっそり預けたりはせずに、ちゃんと駅員へ「本を寄付したいんですけど」と告げて、紙袋を手渡した。
そうしたら・・・とても丁寧な言葉でお礼を言われたのだ。なんだかすごく良いことをしたような気分。「こっそり」棚に置いてくるより数段気分がイイ。
正直なところ、駅員は「余計な仕事を増やしやがってくらいに思っているのでは?」なんて邪推してたくらいだから、こんなに気持ちが良い笑顔が返ってくるとは思っていなかったのだ。

いろんな問題があり、せっかくのこの地下鉄の文庫も、年々設置されている駅が少なくなっているらしい。これはすごく残念なことだよなぁと思う。
でも僕は、設置されている駅がある間は、少しずつでも本を増やすことに協力しようと考えている。