石狩川の終わるところ2008年08月10日

手前は石狩川、向こうは日本海
「この川はどこから始まり、どこで終わるのだろう」
そんなことを子供の頃に考えたことはないだろうか。
あるとき、その川の源がダムであることを知ってガッカリしてみたり、開発されつくした河口の風景を見て、なんとなく裏切られたような気分がしてみたり・・・。
それでも川は面白い。畑の真ん中から湧き出る泉が水源だったり、途中から人間の都合で地下に消えてしまう川もあるけれど、多くの川は山から海へと流れて行く。上流、中流、下流と川の姿も変わり、取り巻く景色も変わる。その変化が僕には面白く感じられる。
(話がズレルが、僕の大学の専攻は「自然地理」、卒論のテーマは「川」。その割には専門的な説明が全然できないけど)

前置きが長くなった。
今回は全国的に長さで3番目(信濃川、利根川の次)、流域面積で2番目(利根川の次)の石狩川の河口を訪れた。

石狩川はゆったりとした流れの川で、雪解け水が多いためか、水量も比較的多い。中下流域は比較的起伏の少ない地形のためか、蛇行を繰り返し、その昔に多くの三日月湖を作った。
比較的直線的で急流が多い日本の河川の中では、珍しくゆったりとしたイメージのある川だ。なんとなく北海道らしい川という気がしないでもない。

石狩川の河口には人口の建造物はまったくない。
2kmくらい手前までは川で生計を立てる漁師の船も川沿いに並んでいるし、民家も建ち並んでいるが、河口付近では車道も途切れ、あたりはまさに原野そのままとなる・・・これだけの大河川の終りが、ここまで「何もない」風景だというのも珍しいかも知れない。
この原野は海浜性の植物(ハマナスとかハマエンドウとか、最近は減少してるけどハマボウフウなど)が多く自生していて「はまなすの丘公園」という自然保護区となっている。
その公園のビジターセンターからは木道を歩き、再び未舗装の車道を歩き、車道が途切れてからは漂流物が堆積した砂山をいくつか超えて「川と海がつながる場所」へたどり着いた。

川を追いかけていたら、唐突に海が現れる感じ。
何の飾り気もなく、何の前振りもない。
流れが緩やかなためか、日本海の波がそのまま川を遡り、それを「いいんでないかい」とばかり、受け入れている。
この感じ、う・・・ん、やっぱり北海道らしい川という気がする。

ふと思い立ち、この風景を見に訪れたのは、これが3度目。
そのたびに「何もないけど、そこがいい」。そんなことを思いながら、気が付くとリフレッシュしているのだ。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://weekend-wander.asablo.jp/blog/2008/08/10/3684633/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。