いぶりがっこで日本酒2012年02月18日


いぶりがっこ(いぶり漬け)

秋田県の名産品に「いぶりがっこ」という食べ物があります。
これって、簡単に言えば「スモークしたたくあん」。そう、つまりは漬物なんです。
秋田地方の方言では漬物のことを「がっこ」と呼ぶそうで、つまりは"燻したたくあん漬"というわけ。
名前の通りが良いように「いぶり漬け」と呼ぶ場合もあるようです。

以前、まだバリバリにスキーをしていた頃のことです。
スキーブームなどもあって、首都圏から比較的近いスキー場はどこも「リフト待ち何十分」なんて中、比較的空いていて雪質も良く、しかも魅力ある温泉が点在していて食べ物が美味しいということで仲間と良く遠征をしていたのが東北地方のスキー場でした。
そんな中でも特に行く機会が多かったのが、秋田県の八幡平方面。そしてそのとき知った味が、「いぶりがっこ」でした。
秋田の山間地は降雪の時期が早く、外で天日干しができないため、囲炉裏の熱と煙で干したのが始まりだそうですが、商品として流通している現在の商品は、燻製設備で大根を干し上げてから、糠と塩で漬け込んで作るようです。
その分、よりスモーク加減も強いのかな?と想像しますが、何れにしても漬物の製造方法としてはかなり珍しい方法という気がします。

この「いぶりがっこ」ですが、燻製味と香りが大根に深く染み込み、独特の癖のある味と香りがします。友人の一人は「正露丸たくあん」などと名付けていましたが、まあそこまで不思議な味・香りではもちろんありませんが、確かに他ではあまり味わえない味かもしれません。おそらく苦手な人も多いのでは?とも思いますが、ところが酒の肴、特に日本酒には、この味が最高にマッチするのです(まあ漬物全般が日本酒には合う食べ物ですが)。
最近は"糖質オフ"を心掛けていたため、日本酒を飲むのも控えていたのですが、たまたま旨い日本酒を入手したこともあって「うまい肴も」と考え思い出したのが、このいぶりがっこでした。「いぶりがっこで飲む日本酒は旨いんだよな~」というわけ。

最初は「通販で」と考えましたが、そんなことを想像し始めるとすぐにでも手に入れたくなりました。それで、「札幌市内で売っている店はないか?」と考え、ネット検索してみたところ札幌三越の地下食料品売り場で買えるらしいということが判明・・・それではさっそく・・・というわけで、購入したのが、写真の「いぶりがっこ」です。
2本買って、1本はそのまま直行した馴染みの居酒屋への手土産に・・・。手土産と言いながら、さっそく店で少しだけ切り分けてもらって熱燗でポリポリ・・・。うん、この味、この味・・・期待通り日本酒にベストマッチです。
思わず調子にのってしまい、飲み過ぎてしまいました。

この「いぶりがっこ」ですが、なんでもクリームチーズを載せて食べても美味しいのだそうです。
今まで食べたことはありませんが、塩分効いたスモークチーズみたいな味なんでしょうか?それだったら、日本酒以外の酒でも合いそうです。
残りの1本を食べ切る前に、一度試してみようかと思っています。