今年の温泉の〆は、登別で2011年12月18日


部屋の汚れた網戸越しに(^^; 登別の温泉街

昨日から一泊で、登別温泉に行ってきました。
今回は一人旅ではなく、会社の上司が東京から来札したのに合わせての温泉旅行です。
行きは札幌から無料の送迎バスで、帰りは札幌に戻る僕だけが同じ送迎バスで戻ってきました。
登別温泉に限らず、遠くは函館湯の川温泉や帯広十勝川温泉、上川層雲峡温泉など、北海道内の大きな温泉宿では、こうした札幌からの無料や低価格の送迎バスを運行していますが、宿泊料金がどんどんディスカウントされる中、これで採算取れるのかな?とやや心配になってきます。もっとも利用する客の側からすれば、リーズナブルに温泉を楽しめるのですから、ありがたい話なのですが。

宿泊した宿の風呂は思いっきり堪能しましたが(4回も入りました)、結局宿から外へは一歩も出ず、早い時間に寝てしまったため、本当に「温泉入って飲んで食って」だけを楽しんだ感じです。でもこうしてひたすらのんびりするだけが目的の温泉旅行もいいものです。

今年を振り返ってみると、いつもの年より温泉宿に泊まる機会が多い一年でした。
天人峡温泉、層雲峡温泉、洞爺湖温泉、そして登別温泉。
宿泊はしないまでも、ちょいと遠方の温泉という意味では、旭岳温泉、十勝岳温泉、ニセコの温泉などにも行きました。
あらためて気が付きましたが、今年は温泉に縁が深い一年になったようです。

行ってみたいけれど機会がなくて訪れたことがない温泉は、北海道だけでもまだまだたくさんあります。
来年はそんな未訪の温泉に足を運びたいと思ったりもしています。


晩秋の洞爺湖へ (1)温泉編2011年11月11日


洞爺山水ホテル和風

先週のことですが、洞爺湖温泉で1泊してきました。
そのときのことを「温泉編」と「有珠山編」、そして「湖編」の三つに分けて記事にしたいと思います。と言うわけで、まずは温泉編から。

秋も深まり、「どこか温泉にでも出かけようか」と考え、思いついたのが洞爺湖でした。
これまでにも何度か洞爺湖を訪れたことはあるのですが、毎回日帰りばかりだったことを思い出し、ならば"ゆっくりまったり"と一晩を、洞爺湖で過ごしてみようと考えたわけです。
二年ほど前にサミットの開催地となったことで知名度は確実に上がったはずで、昨年は開湯百年という節目を迎えた洞爺湖温泉なのですが、湖畔に並び建つ大きな旅館が「閉館」や「一時休業」など、何やら寂しい雰囲気が続いているとのこと。今年は東日本大震災の影響で海外からの旅行客も減少し、その影響も大きいようです。
かつては北海道内でも人気の上位を占める観光地だっただけに、現在の状況が余計に寂しさを感じさせるのかも知れません。
でも逆に言えば、リーズナブルな宿泊料金で静かな時間を堪能できるチャンスでもあるわけで、身勝手な一観光客の立場からすると、それが魅力とも思えるのです。
と言うわけで、札幌からの路線バスで洞爺湖温泉へと向かうことにしました。

道南バスが運行する長距離路線バスは札幌駅前のターミナルを出発し、定山渓温泉、中山峠(ここから展望する後方羊蹄山は特に美しい)、一大リゾートのルスツ高原を抜けて洞爺湖温泉へ到着します。
すべて一般道を走り続けて約2時間半ほど。路線バスとして考えると、なかなかの長距離路線です。途中の中山峠で10分ほどトイレ休憩があるあたりも珍しいかも。そのおかげで、バスを降りて後方羊蹄山をゆっくり望むことができます(写真参照)。
洞爺湖温泉ターミナルでは、あらかじめ予約を入れておいたタクシーが待っていてくれましたが、この話は(2)有珠山編で。有珠山から戻ってきて、ひとまず旅館にチェックインしたところから。

中山峠から後方羊蹄山(通称、蝦夷富士です)

今回宿泊した旅館は洞爺湖温泉の中でも老舗の旅館「洞爺山水ホテル和風」を利用させていただきました。ちなみに"和風"は"かふう"と読ませるようです。
湖畔から少し奥に入っていることもあり、湖畔に面して並び建つ大旅館に湖が隠されてしまい、やや残念な立地ですが、その代り落ち着きと居心地の良さを感じさせてくれる宿でした。
実はそんなことも良く解らないまま、団体客が少なくて落ち着けそうな宿でリーズナブルな宿を・・・と探し、その中で気に留まった宿を予約したのですが、我が家の近所の居酒屋のマスターにたまたまそんな話をしたところ、「洞爺湖でも一押し」の宿とのことでした。自分の選択眼を褒めてあげたい気分(笑)
そう言われると期待も膨らみます。実はやけにリーズナブルな料金設定だったので、「あんまり期待をしないように」と思いつつ、クチコミを見てみたのですが賛否両論。ただ楽天トラベルのアワードを連続受賞しているとのことで、賛否両論の「賛」に期待を掛けていたのです。

と言うわけで、宿の感想など。

<宿>

確かにこじんまり感がする宿で、付帯設備もあっさりとしてはいましたが、僕のような一人旅や少人数のグループには却ってその方が落ち着けるような気がします。逆に言えば小さな子供を連れた家族連れ向きではないかも知れません。
部屋は、たぶん予約プランよりも広い部屋に通して頂けたと思います。高級感は感じませんでしたが、リニューアルした後なのか部屋は清潔で、僕としては十分に満足。
最上階(5階)だったためか、窓からは湖を少しだけ望むこともできました。
どんなにゴージャスな内装や設備でも、清潔感が無かったり、老朽化が補修もされないままの状態で目立つようでは、その宿の印象はあまり良くなりません。少なくともこの宿は、そうした点での不満を感じない宿でした。

<温泉>

そもそも温泉目的で来たのですから、温泉だけは譲れません。
この宿の浴槽は内湯と露天風呂の二つだけで、それほど大きくはありませんが、たまたま入浴した時間帯が良かったのか、それほど混雑を感じず、まったく不満なし。
いや不満どころか温泉そのものは、いまどき清く正しく"源泉かけ流し"ですから最高です。
温泉らしさが際立つ濁り湯で、特に露天風呂の温度が適温だったためか、長く浸かっていることができるのです。浴室内の照明も比較的明るいのもいい感じ。
広すぎる浴槽~例えばプールのような大浴槽を維持管理するために、加水したり、循環したりする宿が多い昨今、「もう一度温泉の原点を考えて欲しいよな」などと思ったりすることが多々あるわけですが、この点については文句なく「この宿を選んで正解!」と感じました。

<食事>

最近ではコスト低減のためにバイキング形式の夕食が増えましたが、ここは低料金にも関わらず部屋食でした。
夕食はごく普通の料理という感じ。ご馳走感はあまりまんじませんでした。ただ地産地消に拘った素材を使った料理の品数は多く、ここでもまた不満はありませんでした。若干ボリュームが少な目かもと感じましたが、現在ダイエットを心掛けているボクには、これでも食べすぎかも。

「こりゃ凄いな」と思ったのが、朝食です。
朝食は場所を選択できましたので、気分を変えようと食事処を選択。
セットされたメニューに加え、地元洞爺町産の温野菜を好きなだけ自分で取り分けて食べることができました。思わず仲居さんに「凄いですね」と声を掛けてしまったくらい。
朝から品数も多く、そのまんま朝食メニューが夕食メニューになったとしても、メインデッシュを入れ替えてくれるくらいで満足できそうです。

ただし、追加料理や飲み物については、通常の旅館一般の価格に比べてかなり割高感を感じる設定でした。まあロビー階の売店や自販機まで足を運べば一般的な旅館価格で購入できますので、ちょっとだけ足を運べばよいわけですが。

<サービス>

接客マナーはクチコミで賛否が分かれていたのですが、僕は運が良かったのか、あるいは様々なクチコミを見て改善を心掛けていらっしゃるのか、非常に気持ちの良い応対をしてもらえました。
朝すれ違ったら「おはようございます」と声を掛けられ、チェックアウトの際にエレベータを待っていたら「お発ちですか。どうぞお気を付けて」と声を掛けられ、そうしたささやかな心遣いが宿の印象を各段に良くしてくれるのだと、あらためて感じさせてくれました。

と言うわけで・・・・なんだか褒めすぎな感じもしないではありませんが、リーズナブルでありながら気持ちが良い・・・・少なくとも僕が今年泊まった宿の中では一番満足度の高い宿でした。

-------

以上で(1)温泉編は終わりです。
「晩秋の洞爺湖へ (2)有珠山編」へと続きます。


極上の十勝岳温泉2011年10月14日


十勝岳温泉 湯元凌雲閣

上富良野町から十勝連峰の中腹まで上がったところにある温泉が、この十勝岳温泉。
公共交通機関(タクシーは除く)で行くとすると、上富良野駅から町営バスを利用することになりますが、その本数はそれほど多くはなく、やや不便な場所になります。
この十勝岳温泉を起点に、十勝岳や富良野岳などの名山へのルートが伸びているため、北海道在住で山歩きをしている人にはよく知られている温泉です。
僕も5,6年ほど前に、富良野岳から十勝岳への縦走を目論んで、その山の帰りに入浴したことがありますが、鉄分を多く含んだ独特の色のお湯(タオルが茶色く染まるくらい)で"いかにも温泉!"という感じの秘湯&名湯という印象を持っていました。ちなみに入浴で利用させて頂いたのは「湯元 凌雲閣」という宿。
そのときは、途中から降り出した雨が強くなり、十勝岳まで歩くことは断念して途中の上ホロカメトック山から十勝岳温泉へと下山しました。下山した頃にはさらに雨は強くなり、楽しみにしていた凌雲閣の露天風呂からの眺め(荒々しい安政火口を眺めながら湯に浸かれる)を十分に楽しむことができなかったことが、心残りでした。
同僚と「車でどこかの温泉へ行こう」と話をしていたところ、「じゃあ、十勝岳温泉にしましょう」と決まったのが数日前。同僚にとっては初めての、僕にとっては心残りを解消するための十勝岳温泉です。

----- -----
桂沢湖周辺の紅葉(車内から撮影)

朝10時、札幌駅で待ち合わせ。同僚の車にピックアップしてもらって、まずは富良野を目指します。
列車だと旭川まで行って富良野線に乗り換えるか、途中の滝川から根室本線で富良野へ向かうのが一般的ですが、今回は車。最短ルートとのことで、岩見沢市の隣、かつて炭鉱で栄えた三笠市から桂沢湖を経て富良野というルートです。車だと2時間ほど。なんだか札幌~富良野間が随分近くなったように感じます。
このルートは今が紅葉の盛りで、車窓風景を眺めていて飽きることがありません。特に助手席でふんぞり返っているだけの僕は、時々車の窓越しにカメラを向けながら、十分に紅葉風景を満喫できました。

富良野市からは中富良野町、上富良野町と北上します。
ずっと山道を抜けてきたせいか、富良野の町が随分と都会に感じられますが、人口は24,000人程度。決して人口だけで町の振興を測れるわけではありませんが、一般的に言って大きな町というわけではありません。でもこの富良野市が富良野盆地の中心都市です。周りに比べて都会と感じるのは自然なのかも。
上富良野町からは、先ほどから右手に見えていた十勝連峰へ向けて車は走ります。
天気が良いので、富良野岳、十勝岳、そして美瑛岳がハッキリと見て取れます。すでに初冠雪してから日が経っており、山頂から中腹に掛けては真っ白です。
標高が上がるに連れ、道路わきにも降雪の後が見えてきました。これから向かう十勝岳温泉周辺は残念ながら紅葉は終わっているとのことでしたが、紅葉どころかひょっとしたら積雪でたどり着けなかったりして・・・と、少々心配にも・・・。

十勝岳温泉へ向かう一本道。正面の山は美瑛岳。分かりにくい右端のピークは十勝岳

湯元凌雲閣に近付くに連れ道路わきの雪は増えてきたものの、車道上には雪は無く無事到着。
このあたりは標高1280mですから、かなり高所にある温泉です。そのため駐車場から富良野盆地一帯が見渡せるのですが、もやっていて眺めは今一つ。まあ今日は、露天風呂に浸かりながら極上の風景を楽しむことが目的ですので、山側が霞んでいなければ十分です。幸い、曇り空に変わってきたものの、山側はクッキリと見えていました。

さて温泉。もうとにかく何を置いても露天風呂です(笑)。
湯を掻き混ぜると底に堆積していた温泉の成分が舞い上がり、茶褐色の湯がさらに色濃く変わります。まさに"源泉かけ流し"の証明のようなお湯です。温度はやや低く感じましたが、その分だけ長時間浸かっていることができ、景色を眺めながらボーッと過ごせる極上の湯。
浴槽がたくさんあるとか、広くて豪華などということはなく、その点では数多の温泉に見劣りするかも知れませんが、That's温泉!的なお湯そのものと露天風呂からの風景が、ここを最上級の温泉にしているという気がします。同僚もかなり満足してくれたようです。
風呂を満喫し過ぎて、うっかりしてせっかくの露天風呂の写真を取り損ねてしまいましたので、宿の外に出てから露天風呂を撮影・・・この丸見え具合も野趣があっていい感じ?(もちろん女性用の露天風呂は外からは見えません)。

安政火口から上ホロカメトック山方面

外に出てから撮影した露天風呂

露天風呂から失礼してパチリ

帰りは近くの吹上温泉の露天風呂に立ち寄りました。
ここは見学のみ。この温泉は沢沿いの崖っぷちにある無料の露天風呂ですが、テレビドラマ「北の国から」のロケ地になったことで有名な温泉です。
何人かの年輩の男性が入浴中でしたが、なんだかギャラリーの方が多いかも。中国系観光客のグループがこの温泉にまで訪れていたことに、ちょっと驚きました。

吹上温泉

さて、後は富良野名産のラベンダーソフトクリームをどこかで食べて、一路札幌を目指すだけです(結局ブドウ味のソフトを食べました)。
帰りも同じルートです。鮮やかだった紅葉も、夕闇に溶け込みつつある時間帯でした。


室蘭本線とユンニの湯2011年10月09日

三連休の二日目。昨日、今日と晴天が続いています。
山にでも行きたいところですが、近場の山はクマ騒動で入山禁止。
それでは・・・と考え、思い至ったのが「今まで行ったことのない温泉へ行ってみよう」かということ。
札幌近郊の温泉は数多く行ってはいますが、それでもまだ訪れたことのない温泉がいくつもあります。その温泉施設に興味が持てないからという場合もありますが、「公共交通機関だけでは不便な場所」だからという単純な理由がほとんど。
ならば、少しだけ苦労して・・・いやむしろその分だけ旅気分を味わえる温泉へ行こうと考えました。
そう考えて思いついたのが、由仁町のユンニの湯。
この温泉、日帰り温泉施設の人気調査ではいつもトップ3に入る人気の施設で、札幌から車なら1時間くらいの場所にあります。でも、タクシーを除いた公共交通機関だけではなかなか行きにくい場所にあるのです。

路線バスで行くなら、僕の好きな温泉として時々紹介している"ながぬま温泉"がある長沼町のターミナルまで行き、そこで由仁町方面へのバスに乗り換えて行く方法があります。
ちょうどそのながぬま温泉の背後の丘陵地(マオイ丘陵)を挟んで反対側に位置しているのが由仁町でユンニの湯がある場所なのです。
ただこのバスにしてもユンニの湯は経由しませんので、由仁駅前などからタクシーを利用するか、歩いて向かうことになります。
数年前には期間限定で札幌からながぬま温泉を経てユンニの湯まで行く直行バスが運行されていましたが、残念なことに今は運行されていないようです。
でも今日は"旅モード"ですから、あえて鉄道を利用して、より時間の掛かる行き方を選択することにしました。
札幌駅から一日散歩きっぷ(道央圏の普通列車が一日乗り放題になる切符/\2,200)を買ってまずは岩見沢駅へ。岩見沢駅からは室蘭本線の列車に乗り換え由仁駅へ。由仁駅からは追分駅まで南下し、千歳線の南千歳駅を経由して札幌まで戻ると言うプランです。
実はこのプラン、北海道内の路線では唯一この岩見沢~追分間の室蘭線だけ未乗で、「これで全線完乗!」と勘違いしていたためのプランです。後になって気が付きましたが、根室本線の滝川~富良野間や宗谷本線の名寄~豊富間が、未だ未乗でした。

さて前置きが長くなりましたが、列車が由仁駅に到着したところから。

室蘭本線 由仁駅

由仁駅前の風景は北海道の地方の町の多くがそうであるように、ガランとした広がり感のある風景です。駅前の案内板で大体の地理関係を把握し、そば屋で昼食を済ませてから適当に歩きだすことにします。タクシーなら10分掛からずに温泉まで行けるようですが、どうせなら初めての町を散策してみたいと思ったからです。
しばらく歩くと民家が途切れ、あたりは丘陵地の風景に変わります。
途中で見つけた案内看板を頼りに歩き続けて1時間、ようやくユンニの湯に到着です。
実は隣接する"ゆにガーデン"という広大な英国式庭園とスポーツ施設(野球場やパークゴルフ場など)の側から歩いたため、かなり遠回りしてしまったみたいです。

ユン二の湯

さてユンニの湯。
確かにお湯は特徴的なモール泉でなかなか良いのですが、率直に言えば「なぜ人気が高いのかが良く解らない」というのが感想です。源泉かけ流しでもなく、施設が特徴的であったりということもなく、それほどの魅力は感じませんでした。女性用の露天風呂が開放的で、それが女性受けしているようですが、男性の方はごくごく普通と言う感じ。
想像するに、この温泉の人気は、隣接するパークゴルフ場やゆにガーデンの相乗効果では?と言う気がします。確かに観光バスで訪れている団体が多かったようです。パークゴルフと温泉と食事がセットになった日帰りツアーという感じなのでしょう。

というわけで温泉の話はあっさりと終了して、由仁駅まで戻ることにします。

展望台から

帰り道は駅まで最短ルートをたどります。
いつのまにか丘陵地のかなり高いところまで登っていたようで、ユンニの湯のすぐ近くの展望台からは由仁の農村風景が一望にできます。
木々はまだ完全に紅葉はしていませんが、ここから見える風景はやはり秋を感じさせる色合いと言う気がします。
下りの蛇行する道を下りきって、由仁駅までは30分ほどで到着です。

苫小牧方面への列車までは、まだ50分ほどの時間がありました。
「どこかでお茶でも」と思いましたが、時間帯が悪いのか、それとも日曜日はお休みなのか、駅周辺の店はどこもやっていません。由仁駅周辺では「東京ホルモン」というお店が有名なようで、こちらは営業中のようでしたが、腹も空いていません。
でも幸いなことに改装されたきれいな駅舎(でも無人駅)は、ポッポ館と言う名前の観光案内所を併設した施設になっていて、ここで寛ぐことができます。
列車を待つ間に岩見沢行きや長沼行きのバスが到着してちょっぴり心惹かれましたが、少し経てば列車の時間なので、予定通り待ち続けることにします。

16時59分発の苫小牧行き一両編成のワンマン列車に乗車した時には、すでに陽はかなり傾き始め、乗換駅の追分駅に到着する頃には完全に沈んでいました。
秋の陽の短さをしみじみと感じつつ、この後も列車を乗り継ぎながら札幌へと戻ったのでありました。

----------

<おまけの1枚>
歩いている途中、偶然見つけたユニークな名前の川。
僕は知りませんでしたが、かつての人気番組「トリビアの泉」などでも紹介されたこともあるそうです。語源はアイヌ語の魚の住まない川(ヤンケ・ナイ)、あるいは片割れの川(イヤル・キナイ)からきているのだそうですが、明治時代に氾濫を繰り返すために住人が「ヤリキレナイ川」と呼んだ名前が定着したのだそうです。

なんだか笑えてしまう名前の川

<おまけのもう1枚>
これもまた歩いている途中。空を見上げると、見事な飛行機雲が伸びていました。

飛行機雲がまっすぐ伸びて

ニセコアンヌプリへ2011年08月27日

ニセコアンヌプリへ山歩きに行ってきました。
名前の通り、ニセコアンヌプリはニセコ山系の標高1373mの山ですが、その中腹から裾野に掛けてはアンヌプリ、ヒラフ、東山等世界的にもパウダースノーで知られるスキー場が数多あり、ご存知の方も多いことでしょう。
実はこのアンヌプリ、夏場もスキー場のゴンドラが運転されていて、時間を短縮して山頂に立つことができる山なのです。
最初は先日の大雪山と同じく前泊しようかとも考えましたが、このゴンドラを利用するとわずか2時間半ほどで山頂まで行って降りてくることができるのです。早い時間に出発すれば札幌からでも十分日帰りが可能な山なのです。
と言うわけで、今回はニセコアンヌプリスキー場のゴンドラを利用して、アンヌプリ山頂に立ち、硫黄泉の秘湯として知られる五色温泉へ下ることとしました。

札幌からニセコまで公共交通機関を使うとすると、アンヌプリースキー場まで運行される
都市間バスか、本線とは名ばかりという感じのJR函館本線でニセコ駅まで向かい、路線バスに乗り換えて向かうことになります。
本数や運行時間帯等で考えるとバスの方が便利な感じですが、今日は土曜日、JR北海道の"一日散歩きっぷ"が使えます。利用できるのは普通列車だけですが、元々札幌から小樽乗り換えニセコまでのこの路線は、普通列車しか運行されていませんので問題ありません。この切符を使えば往復で\2,200・・・これは通常の片道運賃分くらいですからかなりお得です。
もっともそうした運賃がお得なことよりも、実は今まで小樽の先の余市~長万部間の列車に乗車したことがなかったので(今まで何回かニセコに行っていますが、いつもバスか車だったので)、これを機会に乗ってみようと考えました。

さて小樽で長万部行の始発列車に乗り換え。
一両編成のワンマン列車はかなりの混雑。三分の一くらいは登山客で、チョッピリ嬉しくなります。北海道の列車では、学生パーティ等を除けばほとんど登山姿の乗客を見掛けず、なんだか寂しい感じがしていましたから。

・・・というわけで、ニセコアンヌプリスキー場に到着したところから写真を中心に・・・

-------
スキー場の夏季ゴンドラに乗り、少しだけ歩くと"1000m台地"と名付けられた展望台です。
ここからの羊蹄山は、まさに蝦夷富士と呼ばれるにふさわしい立派さ。
ゴンドラを降りてすぐの展望台からは羊蹄山が展望できます

視界のないトレイルを歩き続けて、視界が開けると、もうすぐそこがアンヌプリの山頂です。
アンヌプリ山頂まではもう少し

山頂からは360度のパノラマ。最高の眺めです。
写真は 岩内町方面の展望です。写真ではわかりにくいですが、日本海から積丹方面もハッキリと見て取れます。
アンヌプリ山頂から岩内・積丹方面を遠望。写真じゃわかりにくいですが、日本海もはっきり見えました

今度は逆方面。登ってきた方角を振り返りますが、写真のピークはアンヌプリ南峰ですが植生保護のためこのピークは踏まず、ルートはピークを巻いています。
登ってきた方角を見返します(このピークは巻いて登ります)

山頂を後にして、五色温泉郷へ下ります。
下る前にもう一度山頂を振り返ります。
さて下山。もう一度山頂を振り返ります

目指す五色温泉郷まで、ひたすら下ります。
五色温泉。ここまで一気に下ります

写真はイワオヌプリ。登るには一旦五色温泉郷まで下ってから登り返さなくては行けないことが残念。数年前に一度歩いていますので、今回は時間の関係でパスしました。
イワオヌプリ。登るには一旦五色温泉へ下らなくてはなりません

-------

さて五色温泉へ到着しましたが、微妙な時間。
せっか く五色温泉へ降りたのですから、久しぶりに(5年ぶりくらいです)源泉かけ流しの硫黄泉でゆっくり過ごしたいところですが、五色温泉からニセコ駅方面へ向 かうバスは14時と16時のみの2本。30分ほど待てば14時のバスに乗れますが、五色温泉は諦めることになります。一方、16時のバスならばそれこそ思 う存分温泉を堪能できますが、温泉以外何もないところですからやや暇を持て余してしまいそう・・・。
結局、この後の動きやすさを考えて、14時のバスで一気にニセコ駅まで向かい、駅前の「綺羅乃湯」という温泉施設で汗を流すことにしました。

でもこの決断については、後になってちょっぴり失敗したかなという気も。
綺羅乃湯・・・・設備は新しく清潔で立派ですし、とても快適な温泉です。料金もリーズナブルだし、併設されたレストランで飲食もできます。その意味では何の問題もありません。
た だこの"設備が新しく清潔で立派"というのが、そうした温泉は札幌市内近隣には多く、また(交通の便の関係で)そうした温泉を利用する機会が多い僕には、 なんだか新鮮味に欠けるような感じがしてしまったわけです。どうせなら、どっぷりと硫黄泉で山の風景を眺めながら秘湯感を味わった方が良かったかな?と。
つまりは温泉施設の問題ではまったくなく、僕の個人的事情というわけ。

温泉で汗を流し、ニセコ駅のレストランで期待以上に美味しいカレーを頂いた後は列車が到着するまでの時間を、駅のベンチでぼんやりとして過ごします。こうした時間も退屈だけど、なんだか好きなんですよね・・・旅!ってな感じがして・・・。
やがて到着した帰りの列車も一両編成で、ニセコ駅から乗り込んだ乗客で行きと同様の混雑具合でした。
車窓から眺めていた空は徐々に夕焼け空へと変わり、やがて小樽に到着した時には夜の空へと変わっていました。


<おまけの2枚>

ニセコ駅からのアンヌプリ。下山後に、こうして登った山を振り返るのはイイものです。
ニセコ駅のホームから今日登ったニセコアンヌプリを望みます

ニセコ駅のホームからは、羊蹄山の山頂が見えました。
ホームから振り返ると、羊蹄山の山頂も見えました