映画 沈まぬ太陽 ― 2009年10月24日
封切初日に映画「沈まぬ太陽」を見に行った。
話題作でもしばらく経ってから見に行くことが多い僕にとっては、これは珍しいこと。
この長編小説が映画化されることを知って以来、ずっと楽しみにしていたからだ。
原作だけでなく、映画も長編大作・・・最近の映画では珍しく、上映時間が3時間20分もの長さ(途中10分のインターミッションが入る)だ。
見る前には「これで駄作だったらかなり辛いよな」などとも思っていたのだが、見終わってみると、少しも退屈することもなく、無駄と思えるようなシーンもない、まさに「これだけの時間が必要な映画なのだ」と思わせてくれる映画だった。
映画では舞台となる航空会社が、国民航空(NAL)と言う名称となっていて、「登場人物、団体は全て架空のもので、実在の人物、団体等とは関係がないからね」といった、お決まりのテロップが映し出されるものの、これはどこをどう見てもモデルが日本航空(JAL)なのは間違えようがない。
原作が週刊誌に連載されていた頃から、JALが出版社へ抗議をしていたということもあり、JAL自らが「関係がある」と認めている映画でもある。
また最近では大作なら必ずと言ってよいほど制作に名を連ねるテレビ局が、一切参加していないことも珍しい。"スポンサーに気を使った大人の事情"といった噂もされているが。
もちろんフィクションなのだから、エピソードなどは事実を誇張していたり、演出により事実とは異なる部分も多いことは当然なのだろうが、連日新聞を賑わす「JAL経営危機」のニュースとその要因を知るに付け、「まんざらフィクションと言うわけでもないよね」と思わざるを得ない。
それだけに「JALの内部の人にこそ、見てもらいたい映画」という気持ちがするのだけど・・・。
だがこの映画の(そして原作の)テーマは、航空会社の様々な問題を糾弾することを主テーマとしているのではない。もちろストーリーの主軸としては重要なのだが、そのメインテーマは、巨大な組織に決して一人の男が真っ向から立ち向かい、信念を貫き通すという「人間ドラマ」にある。
様々なエピソードが絡み合い、主人公をはじめ多くの登場人物が悩みながら、でも信念を貫き通す姿を濃厚な人間ドラマに仕立てることに成功した映画という気がしている。
いつもは作品の中身のことにはほとんど触れない僕なのだが、つい思わず熱く語ってしまう、そんな映画だった。
お薦めですよ!
話題作でもしばらく経ってから見に行くことが多い僕にとっては、これは珍しいこと。
この長編小説が映画化されることを知って以来、ずっと楽しみにしていたからだ。
原作だけでなく、映画も長編大作・・・最近の映画では珍しく、上映時間が3時間20分もの長さ(途中10分のインターミッションが入る)だ。
見る前には「これで駄作だったらかなり辛いよな」などとも思っていたのだが、見終わってみると、少しも退屈することもなく、無駄と思えるようなシーンもない、まさに「これだけの時間が必要な映画なのだ」と思わせてくれる映画だった。
映画では舞台となる航空会社が、国民航空(NAL)と言う名称となっていて、「登場人物、団体は全て架空のもので、実在の人物、団体等とは関係がないからね」といった、お決まりのテロップが映し出されるものの、これはどこをどう見てもモデルが日本航空(JAL)なのは間違えようがない。
原作が週刊誌に連載されていた頃から、JALが出版社へ抗議をしていたということもあり、JAL自らが「関係がある」と認めている映画でもある。
また最近では大作なら必ずと言ってよいほど制作に名を連ねるテレビ局が、一切参加していないことも珍しい。"スポンサーに気を使った大人の事情"といった噂もされているが。
もちろんフィクションなのだから、エピソードなどは事実を誇張していたり、演出により事実とは異なる部分も多いことは当然なのだろうが、連日新聞を賑わす「JAL経営危機」のニュースとその要因を知るに付け、「まんざらフィクションと言うわけでもないよね」と思わざるを得ない。
それだけに「JALの内部の人にこそ、見てもらいたい映画」という気持ちがするのだけど・・・。
だがこの映画の(そして原作の)テーマは、航空会社の様々な問題を糾弾することを主テーマとしているのではない。もちろストーリーの主軸としては重要なのだが、そのメインテーマは、巨大な組織に決して一人の男が真っ向から立ち向かい、信念を貫き通すという「人間ドラマ」にある。
様々なエピソードが絡み合い、主人公をはじめ多くの登場人物が悩みながら、でも信念を貫き通す姿を濃厚な人間ドラマに仕立てることに成功した映画という気がしている。
いつもは作品の中身のことにはほとんど触れない僕なのだが、つい思わず熱く語ってしまう、そんな映画だった。
お薦めですよ!
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