丹沢を縦走(その1) ― 2008年09月08日
今回は夏休み中に泊まりがけで山へ行くことを考えていた。
どこの山へ行くかではなく、山中で1泊することが目的。日帰りならいつでも行けるのだが、泊まりだとそれなりに事前準備をしなくてはならないので、こうした機会でないとなかなか行けない。
週の真ん中に旧友たちと会う約束をしているので、「月火」もしくは「木金」のどちらか天候が安定する方で考えることにした。
当初は『北アルプスのどこか』と考えていた。
札幌に移り住むまでは、年に数回ペースで訪れていた山域だ。
ただ1泊で行くことは決して無理ではないが、なんとなく慌ただしい。それにどうせなら今まで歩いたことがない山へ行きたいと思うのだが、それらの山は1泊では厳しい。
次に南アルプス、そして八ヶ岳・・・結局色々と考えている内にだんだんと面倒になってきて、「久しぶりに近場の丹沢で1泊することにしよう」と落ち着いた。
僕は中学1年のときに山歩きを始め、高校時代にはワンダーフォーゲル部(軽登山部みたいなもの)に所属していたので、丹沢は言ってみればホームグランド。当時は、月に1回は丹沢のどこかを歩いていたと思う。
社会人になって、そこそこ遠くの山まで遠征できるようになってからは丹沢を訪れる頻度は減ったのだが、僕の山歩きにとっては原点とも言える山域だし、初めてテント泊を経験したのも(ただし丹沢は山中での幕営は禁止)、初めて小屋泊まりを経験したのも丹沢ということで、思い入れは深い。
と言うわけで、今回は原点に戻るような気分で久しぶりの丹沢へ出掛けることにした。
まずは小田急秦野駅からヤビツ峠までバスで。
平日だというのにバスは満員。こんな状況は北海道の山では考えられない・・・と言うか、北海道の場合、登山口まで行くバス自体がほとんどないのだけど。
ヤビツ峠からは丹沢一の人気縦走路の表尾根を歩き、これも人気の高い塔ノ岳(1491m)を越えて丹沢山(1567m)まで。丹沢山に建つ山小屋-みやま山荘に宿泊して、翌日は丹沢の主稜線を歩き、最高峰の蛭ヶ岳(1673m)を経由して西丹沢へ下るプランを考えている。
丹沢のまさにゴールデンコースとも言えるルートだが、久しぶりの山歩き、歩き始めて1時間経ってもなかなかペースが上がらない。普段なら最初の30分は辛いのだが、一息入れてからはペースが良くなるのだけど・・・。
札幌に移り住んでから、山までの距離はより近くなったというのに、山が遠くなってしまった。これは公共交通事情によるところが大きいのだけど、段々面倒と思うことが増えてきたからでもある。
小学校の遠足登山を除けば、プライベートな僕の初めての山歩きが、この表尾根だった。中学1年(13歳)のとき、同級生のお父さんに連れられてこの道を歩いた。これもまた僕の山歩きの原点。山歩きを楽しいと思い、今に至るまで続けるきっかけとなったルートだ。
それまでの僕の山歩きのイメージは『ひたすら登って山頂に辿り着き、今度はひたすら下るだけ』だったのだが、このときいくつものピークを超えて歩き、そのたびに新しい景色が広がるということを知って、新鮮で強烈な印象を受けたのだ。
以来、何度このルートを歩いたことだろう。20代の一時期、山から離れていたこともあったのだが、再び山歩きを再開して最初に歩いたのも、またこの表尾根だった。
そんな感慨にふけりながら歩き続けるが、やっぱりペースは上がらない・・・これが"年"ということなのかなぁ・・・トホホ。
鎖場(数m程度の岸壁に補助のため鎖を張ってある場所)も数か所あるし、やせ尾根や何度も繰り返されるアップダウンもある。まさに、山歩きの色んな要素がルート中にふんだんに散りばめられている。
それでも、一般的なコースタイム程度の時間で塔ノ岳へ到着。ここまでは登山客もそれなりに多い。一息入れて塔ノ岳を超えて丹沢山へ。
塔ノ岳を超えてからはまったく人の姿が無くなった。誰とすれ違うこともなく、誰に追いつかれることも追いつくこともなく、丹沢山へ到着。そして小屋もまた、今のところ、今日の泊まり客は僕一人のようだ。
缶ビール片手に、手持無沙汰?の小屋番の方と丹沢の話、山の話、小屋の話などをしているうちに、陽はいつの間にか傾いていた。
(その2へ続く)
どこの山へ行くかではなく、山中で1泊することが目的。日帰りならいつでも行けるのだが、泊まりだとそれなりに事前準備をしなくてはならないので、こうした機会でないとなかなか行けない。
週の真ん中に旧友たちと会う約束をしているので、「月火」もしくは「木金」のどちらか天候が安定する方で考えることにした。
当初は『北アルプスのどこか』と考えていた。
札幌に移り住むまでは、年に数回ペースで訪れていた山域だ。
ただ1泊で行くことは決して無理ではないが、なんとなく慌ただしい。それにどうせなら今まで歩いたことがない山へ行きたいと思うのだが、それらの山は1泊では厳しい。
次に南アルプス、そして八ヶ岳・・・結局色々と考えている内にだんだんと面倒になってきて、「久しぶりに近場の丹沢で1泊することにしよう」と落ち着いた。
僕は中学1年のときに山歩きを始め、高校時代にはワンダーフォーゲル部(軽登山部みたいなもの)に所属していたので、丹沢は言ってみればホームグランド。当時は、月に1回は丹沢のどこかを歩いていたと思う。
社会人になって、そこそこ遠くの山まで遠征できるようになってからは丹沢を訪れる頻度は減ったのだが、僕の山歩きにとっては原点とも言える山域だし、初めてテント泊を経験したのも(ただし丹沢は山中での幕営は禁止)、初めて小屋泊まりを経験したのも丹沢ということで、思い入れは深い。
と言うわけで、今回は原点に戻るような気分で久しぶりの丹沢へ出掛けることにした。
まずは小田急秦野駅からヤビツ峠までバスで。
平日だというのにバスは満員。こんな状況は北海道の山では考えられない・・・と言うか、北海道の場合、登山口まで行くバス自体がほとんどないのだけど。
ヤビツ峠からは丹沢一の人気縦走路の表尾根を歩き、これも人気の高い塔ノ岳(1491m)を越えて丹沢山(1567m)まで。丹沢山に建つ山小屋-みやま山荘に宿泊して、翌日は丹沢の主稜線を歩き、最高峰の蛭ヶ岳(1673m)を経由して西丹沢へ下るプランを考えている。
丹沢のまさにゴールデンコースとも言えるルートだが、久しぶりの山歩き、歩き始めて1時間経ってもなかなかペースが上がらない。普段なら最初の30分は辛いのだが、一息入れてからはペースが良くなるのだけど・・・。
札幌に移り住んでから、山までの距離はより近くなったというのに、山が遠くなってしまった。これは公共交通事情によるところが大きいのだけど、段々面倒と思うことが増えてきたからでもある。
小学校の遠足登山を除けば、プライベートな僕の初めての山歩きが、この表尾根だった。中学1年(13歳)のとき、同級生のお父さんに連れられてこの道を歩いた。これもまた僕の山歩きの原点。山歩きを楽しいと思い、今に至るまで続けるきっかけとなったルートだ。
それまでの僕の山歩きのイメージは『ひたすら登って山頂に辿り着き、今度はひたすら下るだけ』だったのだが、このときいくつものピークを超えて歩き、そのたびに新しい景色が広がるということを知って、新鮮で強烈な印象を受けたのだ。
以来、何度このルートを歩いたことだろう。20代の一時期、山から離れていたこともあったのだが、再び山歩きを再開して最初に歩いたのも、またこの表尾根だった。
そんな感慨にふけりながら歩き続けるが、やっぱりペースは上がらない・・・これが"年"ということなのかなぁ・・・トホホ。
鎖場(数m程度の岸壁に補助のため鎖を張ってある場所)も数か所あるし、やせ尾根や何度も繰り返されるアップダウンもある。まさに、山歩きの色んな要素がルート中にふんだんに散りばめられている。
それでも、一般的なコースタイム程度の時間で塔ノ岳へ到着。ここまでは登山客もそれなりに多い。一息入れて塔ノ岳を超えて丹沢山へ。
塔ノ岳を超えてからはまったく人の姿が無くなった。誰とすれ違うこともなく、誰に追いつかれることも追いつくこともなく、丹沢山へ到着。そして小屋もまた、今のところ、今日の泊まり客は僕一人のようだ。
缶ビール片手に、手持無沙汰?の小屋番の方と丹沢の話、山の話、小屋の話などをしているうちに、陽はいつの間にか傾いていた。
(その2へ続く)
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