小説 ヘーメラーの千里眼 ― 2009年11月24日
ヘーメラーの千里眼 (上) 小学館文庫 ま 2-15
posted with amazlet at 09.11.24
松岡 圭祐
小学館
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久しぶりに本の話題。
この小説は、「催眠」でデビューし、あっという間にベストセラー作家となった松岡圭祐さんの「千里眼」シリーズの1冊。
映画化やDVD化されたりもしているので、ご存じの方も多いことだろうが、航空自衛隊女性初のF15J戦闘機パイロットで、除隊後に臨床心理士となったヒロインを主人公に、個性的で魅力あふれる登場人物が織りなすこのシリーズは、どれも先を急いで読みたくなる魅力的なストーリーに溢れている。
この「ヘーメラーの千里眼」は、そんなシリーズの中でも、僕にとってはとりわけ面白く感じられた1冊(実際には文庫版を読み、上下巻の長編だったので2冊だけど)。
過去と未来のエピソードを交差させつつ、クライマックスへ繋げて行くそのスートーリーは、ヒロインの"スーパーウーマン"的な部分が抑えられていて、逆にだからこそ無理が感じられる部分が少ない。
クライマックスとその後の余韻。
その余韻が煩わしく感じられる小説も多いのだが、この小説はこの余韻があるからこそ、読んだすべての人をハッピーにしてくれる、そんなエンディングを作り出してくれていると感じた。
この「ヘーメラーの千里眼」、実は新作ではない。
千里眼シリーズは、小学館文庫のシリーズや角川文庫からのクラシックシリーズ、そして新シリーズと、結構ゴチャゴチャしているために、僕にはどれが最新作でどれが旧作なのかもよくわからずにいる。
そのため読む順番もゴチャゴチャで、手当たりしだいと言う感じで読んでいるのだが、違和感をほとんど感じずに読み進めることができている。
ちなみに今回は古書店で入手した小学館文庫シリーズで読んだので、絶版になっていることを承知でamazonの書籍紹介も小学館文庫版で掲載した。
一度、シリーズのすべてを一括して揃え、出版順にきちんと読んでみようかなぁ・・・。
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